阿膠(アキョウ)と南アフリカ
阿膠(アキョウ)と南アフリカ
阿膠は、ロバの皮に含まれているゼラチンです。
それで、南アフリカのロバが、ねらわれているそうです。
Japan Times(2017.3.27)の記事によれば、中国における阿膠の需要増の影響が、アフリカ南部の村人たちへ被害を与えているそうです。
アフリカ南部では、荷役用に、ロバが飼われています。
現地の人たちは、ロバの肉は食べないそうです。
ところが、最近、ロバたちが、ギャングに盗まれて、生きたまま皮をはがれ、そこら辺で、死体が捨てられる、といった事件が頻発しているとのことです。
ある村の住民は、去年の10月に9頭いたロバのうち6頭が盗まれたそうです。
このような事が続けば、村中からロバがいなくなってしまいそうだとの事とです。
二ヶ月前、ヨハネスブルグの警察は、ある場所に、5000以上のロバの皮が隠されているのを発見したそうです。
そのほか、国中のあちこちで、ロバの皮を発見(摘発)したそうです。北西地方では中国料理の店でロバの皮を見つけたそうです。
これは、中国での阿膠の需要が増えたため、その影響がアフリカ南部の国から、違法に輸出されるようになったため引き起こされた事象です。
中国におけるロバの飼育数は、1990年代には、1,100万頭であったのに、2013年では、600万頭に減ったそうです。
ところが、阿膠の需要は、増えてきています。
中国では、年間5,000トンの阿膠が生産されますが、これには400万頭分のロバの皮が必要だそうです。
この数字をみれば、国内からだけでは、需要を満たせないことになります。
どこからか、持ってもなければなりません。
ところで、ロバが多く飼われている国は、あまりないでしょう。
それで、アフリカ南部まで、影響が及んだわけです。
現地では、このままでは、サイ(サイの狩猟は禁止されています。
しかし、角が漢方薬の原料になるので、密猟されています。)が、絶滅しかかっているのと同じように、ロバも同じ運命になる、と危惧されているそうです。
阿膠は、非常に有用な生薬です。
しかし、このような残酷で違法な行為は、忌むべき物です。
正しい方法で、阿膠を供給してほしいものです。
さいたま 朝霞で42年
朝霞の漢方 昭和薬局 鈴木満里
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