スミレの薬効
スミレの薬効
スミレは、多くの種類があります。
野生種もあれば、栽培種もあります。
東洋だけではなく、西洋にもあり、多くの地区で、薬用とされてきました。
あの、可憐な花にも薬功があります。
スミレの西洋での薬用、薬効
フランスの薬草療法家のモーリス・メッセゲ先生は、その著「メッセゲ氏の薬草療法」で、スミレに対して、最高級の評価をしています。
モーリス・メッセゲ先生は、スミレの花が、美しいだけではなく、薬草としての多くの効能効果を挙げています。
古代ギリシャ、古代ローマでは、スミレを頭痛や、二日酔い、視覚の障害に利用していたそうです。
医学の父、ヒポクラテスは、これを、うつ病・胆汁過多・胸の炎症にも勧めていたそうです。
下って中世になると、これがガンに効くとさえされるようになったそうです。
同じ時代のアラビアの大学者メスフエは、スミレを便秘・口角炎・不眠症・肝臓病にたいして勧めたそうです。
スミレ全草の薬効:鎮咳作用、鎮静作用、強壮作用、緩下作用
葉の分泌液(植物粘液質)の薬効:抗炎症作用、、目の病気、、とくに胃腸の炎症
根と種子の薬効:催吐作用
用法用量:
〔浸剤または煎剤〕
花:かぜ・気管支炎に。
一リットルのお湯に、ナマまたは干した花を半にぎり入れる。一日に、これをティーカップ四杯服用する。
全草:呼吸器官・消化器官の働きを正常にします。
一リットルのお湯に材料を半にぎり入れてつくる。 これを一日にティーカップ二~三杯飲用する。
〔煎 剤〕
根:浄化力が強く、嘔吐をもよおさせる力がある。
お湯一リットルに対して、根を半にぎり分入れて、一五分 間沸騰させてつくる。
これを一日にティーカップ一杯服用する。
〔浸 剤〕
葉:かるい緩下作用がある。
お湯一リットルにつき、葉を半にぎり用いてつくる。
これを一日にティーカップ二杯飲用する。
〔シロップ〕
ニオイスミレのシロップ。
一リットルのお湯に、ナマの花を三にぎり入れ、砂糖を1キロ加えて半日間浸しておく。これを一時間ほど湯煎して煮つめ、ビンに入れる。
これを一日に大さじ三杯服用する。うがい薬として咽喉炎・かぜ・気管支炎に用いることができる。
〔ジュース〕
ナマの葉を使う。
浄化剤(緩下作用ということでしょう)になる。
一日に、これを大さじ四杯服用する。
〔粉末剤〕
根の粉薬です。
一日にこ、れを二~三つまみ、ハチミツや牛乳といっしよに服用します。
〔煎じ薬〕
花を使用する外用薬です。湿布薬・ローションなどにする。
お湯一リットルにつき、ナマまたは干した花を一にぎり入れてつくる。
〔手浴・足浴用剤〕
上記の煎剤と同じにしてつくる。
メッセゲ先生は、有名な「七種の花の煎じ薬」の成分の一つとして、スミレが入っていると述べています。
東洋風に言うと、「七花湯(シチカトウ)」といった感じですね。
普通の漢方薬に比べて、キレイでロマンチックな感じですね。
「七種の花の煎じ薬」
成分:スミレ、ヒナゲシ、ウスペニアオイ、ウスベニタチアオイ、・ホウコグサ、フキタンポポ、ビロウドモウズイカの各種の花
効能効果:かぜ・咽喉炎、・気管支炎・肺炎・百日ぜきその他の、呼吸器系統のいっさいの病気に非常な効力を発揮する。
スミレの日本での薬用、薬効
さて、わが国では、栗原愛塔先生は、 「実用の薬草」で、こう述べています。
スミレの類は変種多く、数十種に及ぶが、薬用には、野生品を喜んで用いる。
薬用部と利用法:根をとり乾かす。
一回二~四gを煎じて便秘の人にのませる。下剤である。また悪性おでき(よう、ちよう)を吹きちらすには、根をすりつぶして酢とともに練って貼る。。
梅村甚太郎先生は、その著「民間薬用植物志」
スミレの薬効を以下のように述べています。
「すもとりばな」とも云ふ。漢名は、「紫花地丁」
●根を揉んで腫物につければ、熱をとり、且つ膿を吸ひ出す。特に口のあかない腫物につけると、すぐに開いて、其の効は著しい。
尾張の國の瀬戸あたりでは、黒焼きにして腫れ物に貼りつける。
●伊賀の国の名張あたりでは、葉を鍋炭と一緒にすりつぶして、腫物の吸出し薬とする。
●また、この植物の葉と蝸牛(かたつむり)とをすりつぶして附けると、不思議に効くと言う。
●肥後の國では、葉を塩でもんで、其の汁をたむしにつける。
●備前、美作等では、麦飯とすみれの根と蛍をまぜて腫物につければ、すぐに治癒すると言っている。
●三河の國の岡崎近在の阿知和村あたりでは、一種白花のものを煎じて、血止め??の薬としている。
朝霞市、志木市、新座市、和光市で37年
朝霞の漢方 昭和薬局
薬剤師 鈴木 覚
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