ゲンチアナの薬効・薬用効果

ゲンチアナの薬効・薬用効果

ゲンチアナは、リンドウ科の植物です。
漢方では、近縁種であるリンドウの根及び根茎を竜胆(リュウタン)といい、苦味健胃薬です。苦味(くみ)とあるように、大変苦い薬です。
ゲンチアナも、実際になめてみると、一種独特の苦味があります。
苦い薬は、大抵胃腸薬です。これは、苦い生薬は、消化液の分泌を促すので、胃腸の状態が良くなります。


ゲンチアナは、日本で比較的多く使われている、西洋生薬・ハーブです。
所が、意外な事に、日本の薬草関係の書物には、ほとんど記載がありません。
西洋ハーブですから、中国の本草書にもありません。

ゲンチアナの薬草としての初出は、おそらくディオスコリデスの「ギリシャ本草(Materia Medica)」
でしょう。
“ゲンチアナ(Gentiana)の名称は、古代イリリアの王であるゲンチウス(Gentius)が、その薬効を発見したのに由来している。
ゲンチアナは、高山の峰や、日陰の湿った場所に生える。
根の、ティースプーン二杯分は、体を温め、強壮作用がある。
その汁のティースプーン一杯は、高所から落下、ヘルニア、ケイレンに良い。
その汁は、肝臓病と胃炎に良い。
トロイ人は、アロイティス(Aloitis)、ローマ人はゲンチアナ(Gentiana)と呼んでいる。”
 注:ここに引用した内容は、もう2千年ほど昔の記述ですので、ご注意ください。

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現代では、フランスの薬草療法家である、モーリス・メッセゲ先生は、「メッセゲ氏の薬草療法」で、以下のように記述しています。

“昔の人(ディオスコリデス))は、
ゲンチアナを使ってヘビの咬傷を治すと、記述しているが、信じられない。
肝臓・腸の病気を治療したりするのは、大いにありそうなことだ。
いろいろな虫を下したり、としているが、これは確かだ。
消化機能を全体的に刺激したり、としているが、これも確かだ。
その解熱作用・利尿作用を活用していたが、これはもう保証つきだ。

現代の人間は、
ゲンチアナのこういった薬効の他に、以下のような効果も付け加えた。
唾液の分泌を促進する効果。それゆえ、非常な食欲増進効果を生む。
さらに、体組織を全体的に強壮化する効果(苦味のある植物全体に共通する効能である)がある。
白血球数を増加させる効果(私たちの体をいろいろな病原菌から守る)がある。”

現在の日本では、もっぱら、胃腸薬、健胃剤として、用いられていますが、意外と、広範囲の効能効果があるようです。
メッセゲ先生は、苦味のある植物全体に強壮効果がある、と述べていますが、漢方的には、苦味のある生薬は、苦味健胃薬です。
胃が悪けれが、食べたものが十分に消化吸収できずに、不健康になります。
胃が良くなって、消化吸収が良くなれば、健康になれます。
そう考えれば、メッセゲ先生の言うように、苦味のある植物全体に強壮効果がある、というのも、正に当を得ています。


朝霞の漢方  昭和薬局
薬剤師  鈴木 覚

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