ホウキグサの種の薬用効果
ホウキグサの種の薬用効果
2013.1
一月も、もう終わりかかって、年末の大掃除の時期からは、だいぶ時間がたってしまいました。
年末の大掃除で、思いついたのは、ほうき草についてです。
ほうき草の薬効、効能効果について、書いて見ました。
ホウキグサ(箒草)というのは、その名のとおり、ホウキが作られたので、この名があります。
アカザ科の植物で、枝葉がよく茂り、これを干して、葉を落として束ねて箒を作りました。
このホウキグサの成熟種子は、「とんぶり」と呼ばれて、一部の地方では、食用にされてきました。
この種子の漢名を「地膚子(ジフシ)」といいます。
気味は、甘く、やや苦いとされています。
主に、腎や膀胱経に働き、利尿、解熱などの作用があります。
また、清熱(体の熱を取る)、利湿(余分な水分を排泄する)の効能があり、特に湿熱型(熱がこもり水分代謝が悪い)のかゆみに良いとされています。
具体的な病名にすると、ジンマシン、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、急・慢性湿疹、皮膚掻痒症などの皮膚のカユミに有効だという。
さて、日本での民間の薬用は、梅村甚太郎先生の「民間薬用植物志」によれば、以下の通りです。
ははきぎ
別名「ははきぐさ」、漢名「地膚(ジフ)」。タデ科の一年草。
●子実を煎服すれば、赤白痢を治す。
●淋疾には、葉をつき潰して、その汁を服用すれば効果がある。或いは、水で煎じて服用するのも良い。
●淋疾には、地膚子、紅藍花、木通、蚕砂各等一分に合せ。その二匁ばかりを、水にて水で煎じて服用するのと良い。
●又、地膚子(ジフシ:ほうき草の種子)大量、檳榔子(ビンロウジ:ビンロウの実)中量、芍薬少量、右三味を混ぜて、三匁ばかりを一服分として、水で煎じて服用するのも良い。
●疝気(センキ:差し込むような痛み、腹痛など)が急にせまるには、地膚葉をよく搗きつぶして、その汁を飲むと良い。
●子実は、煎じて服用すれば利尿して、脚気、水腫に効がある。
●九州地方にては、子実を煎服して乳腫を治すのに用いる。
●頭風のいたみには、地膚子と生姜とを混ぜて、粉にして、酒に和して服用すれば汗が出て治る。
●体中にイボが出てきたのには、地膚子、白礬の同量をお湯で煎じて何度も患部を洗うと良い。
●葉を煮て食べれ下痢を治し、悪瘡の毒を解す。
●夜盲症には、子実を煎じて、目を洗うと効果がある。
●目の中が、熱くて昏くてものが見えにくい時には、地膚の苗並びに、葉を煎じた汁で目を洗うか、又は、つきしぼった汁で洗うと良い。
ホウキグサというと、箒の材料、トンブリの実と、いう感じが強いのですが、
意外に、薬理作用がありますね。
朝霞の漢方 昭和薬局
薬剤師 鈴木 覚
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