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2週間で魚鱗癬が改善   その3

2週間で魚鱗癬が改善   その3
                               2016.6.23

さて、痒みについて伺うと、やはり痒がっているとのことでした。
魚鱗せんは、かゆいのかと言うと、それ自身は、カユクないようです。
しかし、多くの人は、カユイことが多いようです。
私は、最初の頃は、魚鱗癬には、痒みが伴うとばかり、思っていました。
というのは、魚鱗せんの最初に見せていただいた、お子さんに、痒みが、相当あった事、その後の魚鱗癬の相談にみえた方の多くが、痒みを訴えていた事からです。
しかし、痒みを訴えない方も、見えるようになりました。
それで、魚鱗癬(ぎょりんせん)には、かゆい場合とかゆくない場合があることに気がつきました。

しかし、正確に言うと、魚鱗癬(尋常性、伴性遺伝性)そのものは、特に痒みを伴わないようです。
では、なぜ痒いのかというと、いくつかの理由が考えらされます。

最も多い理由は、魚鱗せんには、アトピー、アレルギーを伴うことが多いのではないかと言うことです。
このAチャンのお姉さんは、軽いアトピーだそうです。
また、当店で最初に対応した、赤ちゃん(今は、小学校に上がったそうです)の肌をみて、何かアトピーがあるような印象を受けました。
「何か、魚鱗せんの下にアトピーがあるような気がしますが?」とお母さんに言ったところ、「そうよ、私もアトピーだもの。」との、答えでした。
そう、忘れていましたが、お母さん(以前から、当店に来ていました)にも、軽いアトピーがありました。
また、以前(http://showayakyk.exblog.jp/20567186/    2014年4月)のブログにアップさせて頂いた手紙の方(赤ちゃんの母親)もアトピーで悩んでいたようです。
お父さんの方から、ある時、クリームやローション、軟膏を送って欲しい、それとは別に奥さん(つまりお母さん)が、アトピーで悩んでいるので、何か送って欲しいとのことでした。
私は、お子さんに使っているのと同じのを使えば良いんですよ、と答えました。
果たせるかな、お母さんのアトピーも良くなってキレイになったそうです。

こういう具合ですので、アトピーと魚鱗せんとは、別なものですが、何か、ある程度 連動しているような気がします。(科学的に証明されている訳ではありませんが。)
また、魚鱗癬にアトピーが加わると、悪化します。かき壊して、患部の皮膚を更に悪化させます。

所で、このように複合している場合は、対応を注意しなければいけません。
魚鱗せんには、ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤は、全く無効です。
しかし、アトピーには、ステロイド剤が有効です。(使い過ぎては、副作用の問題がでてきます。)
昭和薬局では、アトピーの相談者も多いのですが、スキンケア、漢方系の軟膏、漢方薬などで対応しています。
ステロイド剤を投与されている場合は、それを、緩やかに減らしながら、取り組むように勧めています。
また、この方が有効です。

実は、昭和薬局に於ける、魚鱗癬への対応と、アトピー性皮膚炎への対応には、かなり共通点があります。(痒みが激しい場合は、鎮痒性の非ステロイドの軟膏も使います。
また、当店では、ステロイドの軟膏は、お売りしません。
ただし、病院で投与されている場合は、リバウンドのこともありますので、併用もしくは減薬を勧めています。
長期的には、ステロイド剤が自然に止められるのが、目標です。)

面白いことに、スキンケア(魚鱗癬であれ、アトピー性皮膚炎であれ)をしている最中に、小さいお子さんが、寝始めることが、しばしばあります。
と言うのは、痒みがあると、眠りが浅くなり、常に寝不足の状態です。痒みがなくなると、急に眠気を感じて、ウトウトして、寝てしまいます。
子供は、正直ですから、この眠たくなることが、痒みが消失したことの証拠となります。
このAチャンも、スキンケアをしているうちに、寝てしまいました。
この痒いというのは、つらいものです。痒みを解決すると、アトピーは、快方に向かいます。
同じように、魚鱗癬で痒みを伴う場合に、痒みをなくす、または減らすと、魚鱗癬も、症状は軽減します。

Aチャンは小さいのに利発で、受け答えがしっかりしているので、大変やりやすかったです。
スキンケアは、反応を見ながら進めて行きます。こんな具合です。
「かゆい? 痒くない?痒くなくなった? 痛い?痛くない? しみる?しみない?ここはどう?」等と、対話しながら、有効で、刺激のない漢方の軟膏や、クリーム、ローションを、選びながら、進行して行きます。
Aチャンは、質問にはっきりと答えてくれました。
いくら敏感肌用のスキンケア用品とはいえ、肌の状態によっては、痛かったりしますので、この対話が成り立つということが、重要です。

こういった具合で、痒い部分が無くなっていくと、眠気がどっとくるようです。
Aちゃんもそのうち眠くなって来ました。お父さんに支えてもらって、スキンケアを終えました。
これだけでも、だいぶ肌が、キレイになりました。

この、痒みが無くなる、と言うことが非常に重要です。
痒みのためにかき壊すと、皮膚の表面の細胞が破壊され、場合によっては化膿して、皮膚の状態は悪化します。
痒くなければ、皮膚をひっかいて傷つけることは無くなります。すると、正常な皮膚の再生が早まります。(アトピー性皮膚炎、その他の皮膚病全般に言えます。)
また、痒いと、常に精神が緊張しいらいらするので、交感神経が緊張している状態が優勢になります。
体の修復は、副交感神経が優勢である状態下で行われます。
それで、痒いと 体、この場合は皮膚、の修繕回復が遅れます。
また、体の修復は、主に睡眠時に行われますので、痒みで寝不足になれば、これまた皮膚の状態を悪化させます。

朝霞の漢方  昭和薬局    薬剤師  鈴木 覚
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