阿膠(あきょう)の薬効 その2  阿膠と、女性病、不妊、安胎などについて

阿膠(あきょう)の薬効 その2
阿膠と、女性病、不妊、安胎などについて
                                   2017.2.19
阿膠(あきょう)は、日本ではあまり用いられてはいません。江戸時代には、漢方医学が盛んに行われましたが、やはり、阿膠は、あまり使われていなかった用です。それで、阿膠について記したものも、多くはありません。
「広益本草大成(和語本草綱目)」岡本一抱 著、元禄十一年三月(1698年)に記載されたものが有りますので、紹介します。
原文は、漢文、読み下し文の混じった読みにくい文章ですので、多少は読みやすい文にしました。しかし、単語自身の読みと意味が難しいので、難解ではあろうとおもいます。
フリガナをつけようかな、とは思いましたが、ほとんどの単語につけなければならない様なので、やめました。あまりにも煩雑です。大体は、音読みにすれば、当たらずとも、遠からずです。たとえば、「血」「風」「陰」は、「けつ」「ふう」「いん」です。
また、用語の意味を解説すると、それだけで、この文の何倍にもなりますので、用語の解説はしません。
ただ、なんとなく、大意を感じられれば良い、と思います。

現在では、阿膠の原料は、ロバの皮ですが、古代では、牛の皮であったようです。
経験的に、ロバの方が効果があることからでしょう。
ロバの皮が原料であるとは、奇妙な感じがしますが、美容に使われるコラーゲンの原料の多くは、豚の皮ですから、似たようなものです。
阿膠の効き目のうち、ロバのコラーゲンが、重要な部分と思われます。

当店、昭和薬局にある漢方薬のうち、阿膠を成分とするものは、「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」のみです。
「膠(きょう:にかわ)」の文字が入っています。
昭和薬局では、婦人科の諸症状、不妊及び妊娠中などに、用いています。
なるほど、「女人の血腹痛、血枯(けっこ:経水が通じないものを、血枯と名付ける。・・この注釈文は、原文の通りです。)、経水の諸証(月経に関する、多くの病気、不調)、崩中(ほうちゅう:子宮よりの大量出血)、帯下、産前産後の諸症状。肝を養い、胎を安んじ(妊娠を安定させる)、女子の疲労が極まって、熱病(瘧:おこり)の様になったのを治す。」の文に、適合しています。
「阿膠」「婦宝当帰膠」が、不妊症、妊娠中の諸症状によい、と言うのは、漢方の古典からも、裏付けられている、とも言えましょう。

この「広益本草大成(和語本草綱目)」は、李時珍の「本草綱目」を解説したものですが、
以下に紹介した文の他に、原典の「本草綱目」には、
女子下血、経水不調、胎前産後の諸疾、無子(子が無い:子供が出来ない不妊症)、妊娠尿血、妊娠下血、妊娠胎動などの文字も記載されています。

このことから見ると、古代から、不妊や妊娠についての悩みがあり、それに、阿膠(あきょう)が用いられていた事がわかります。

・・・・・
以下、「広益本草大成(和語本草綱目)」からの引用です。

味は甘く、性質は平である。

○血を和し、隠を滋(うる)おし、風を除き、燥を潤し、痰を化し、肺を清くし、小便を利し、大腸を調え、筋骨を堅くする。
吐血・衂血(じくけつ=鼻血のこと)・血淋(けつりん:血がしたたり落ちること)・尿血・大便血を治す。
肺癰(はいよう。肺膿瘍:肺の化膿症)、膿血が出るのを治す。
女人の血腹痛、血必痛、血枯(けつこ:経水が通じないものを、血枯と名付ける。)、経水の諸証、崩中(ほうちゅう:子宮よりの大量出血)、帯下(たいげ:こしけ)、
産前産後の諸症状、癰疸(ようたん:皮膚の化膿か?)、腫毒、虚労、羸痩(るいそう=異常な痩せ)、
陰気不足、咳嗽、脚足の軟痛、下痢、男子の小腹痛、腰痛、水気浮腫を治す。
肝を養い、胎を安んじ(妊娠を安定させる。妊娠を維持させる。流産させないようにする。)、女子の疲労が極まって、熱病(瘧:おこり)の様になったのを治す。

○東阿県(とうあけん:中国の山東省)に井戸がある。済水(さいすい)の注ぐ所にある。
この井戸の水を取り、牛皮を煮て、膠(ニカワ)を作る。それで、阿膠(アキョウ)の名がある。

中略

△経に曰く。
精の不足する者は、これを補うに、味を以てする(気力やエネルギーが不足した時は、食べ物で補うべきである)。
味は、陰である。(食べ物は、栄養の元である。)
阿膠は水陰の精を得て、且つ味を具えている。
その(物理的な)性質は、粘滑である。
それゆえ、血を和し、血を止め、陰を補い、液(体液)を潤す。

△阿膠(アキョウ)は、東阿県(中国の山東省)にある井戸の水で作る。
その水は、済水(さいすい)の注いだものである。
この井戸の水をもって、牛皮を煮て、膠(ニカワ)を作る。
済水は清く、牛皮は重い。それゆえ、阿膠は清くて、重い。性質は、下に走る。
それゆえ、濁(だく)を清くし、痰の逆上を化す。小便を利し、大腸を調える。

○或いは、問う。(アキョウについての質問と答え)
「阿膠は、肺経(はいけい)の要薬であって、且つ男女の一切の風病を治すのは、なぜでしょうか?」
答えて曰く。
「膠は、牛皮を以て作る。肺は皮の合(ごう:一部、または変化したもの)である。
且つ、阿膠は気味 具(とも)に薄く、これを以て、肺に行き、風を除く者は、発散の義ではなく、(乾)燥は、風を生み、風は燥を致す。
阿膠はよく、(乾)燥を潤す。それゆえ、諸々の風病を治すのに、これを用いる。」

・・・・・
なお、漢方の最も古い薬物書である「神農本草経」には、以下のように記載されている。
阿膠  一名傅致膠.味甘平.出東阿.治心腹内崩.勞極洒洒如瘧状.腰腹痛.四肢酸疼.女子下血.安胎.久服輕身益氣.
  ・・・別名は、傅致膠(ふちきょう?)である。味は甘く、性質は平である。山東省の東阿(とうあ)に産出する。心腹の内が崩れ、労が極まって洒洒(しゃしゃ)として瘧(おこり)のようになったもの、腰や腹の痛み、四肢のうずいて痛むものを治す。女子の下血を治す。胎を安んじる。久しく服すれば、身が軽くなり氣を益する。・・・
・・・・・
阿膠(あきょう)について、調べたら、このように難しい文章が出てきました。
古くからある生薬ですが、現在も有効で、不妊症や、婦人科の疾患に用いられています。

◎ご相談をよくいただく病気その他

●美容・お肌のトラブル :アトピー性皮膚炎、敏感肌、ニキビ、大人のニキビ、シミ、美白、
               ダイエット、じんましん、皮膚のトラブル
●胃腸の健康:便秘、下痢、腸内環境、過敏性大腸炎、胃炎、神経性胃炎、胃もたれ
●痛み全般:関節痛、ヒザの痛み、腰の痛み、肩こり、頭痛、偏頭痛
●不妊関連:女性不妊、男性不妊、2人目不妊 、子宝の食養生、更年期障害、
●女性病関連:冷え性、生理痛、生理不順、
●その他・心の病気全般:体の疲れ、精神的な疲れ、自律神経失調症、うつ、不安感、
                不眠症、夜尿症(最近ご相談が増えています)

さいたま 朝霞の漢方
昭和薬局  薬剤師 鈴木 覚
埼玉県朝霞市朝志ヶ丘1-2-6-106
TEL 048-473-7830  FAX 048-473-7332



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