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生姜の薬用効果、薬効  その3

生姜の薬用効果、薬効  その3

さて、日本での、昔からの薬効、利用法について、
梅村甚太郎先生の、「民間薬用植物誌」大正13年8月 より、引用します。

注意:述べられている効能効果は、必ずしも正しいわけではありません。
    あくまで民間療法の紹介です。漢方では、生薬単味で使うことは、ありません。
    多くの場合、何種類かの生薬を組み合わせて、副作用を抑え、効果を増強するようになっています。
    難しい病気に関しては、それぞれの専門家に相談することをお奨めします。

しょうが 「民間薬用動物誌」  
 
●根茎はもと胃を開き食慾を増進し、中を補ひ、痰を取りさり、寒を防ぐ。
●生薑(生姜:ショウガ)をおろして、砂糖を加へ、それにお湯を入れて風邪の薬とする。よく塞熱を除き、痰や喘息を治すものである。
●生薑(生姜:ショウガ)の搾り汁を、毒虫及び犬の咬まれたときにつけると効果がある。
●生薑(生姜:ショウガ)を食べれば魚や蟹、菌蕈(きのこ)及び水の毒を解す。                                      
●蜈蚣(ムカデ)にさまれた場合には生薑汁に雄黄末を加えて混ぜて、痛むところへ貼ると効果がある。
●または生薑の汁でさされた所を洗い、明礬(ミョウバン)、雄黄(ユウオウ:砒素の入った鉱物。勿論 有毒。)の末をつけてのも良い。
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●蜈蚣(ムカデ)その他さまざまな蟲が耳の中へ入った場合には生薑の絞り汁をそそぎ入れるか、または乾薑(カンキョウ)を細かい粉とし耳の中へ少しばかり入れると良い。
●耳のしもやけを治すのには、生薑の絞り汁を温めて患部につけるとよい。
●生薑、甘草を細かい粉にし、白湯にて服用すれば咽喉より血の出でるのを治す。
●痰が喉にふさがり、痰の声がして歯をくいしばって、息が荒い病人には、明礬(ミョウバン)を粉として生薑の絞り汁にて服用させると効果がある。
●籠又は車にのり頭痛暈倒するもの(乗り物酔い)には、速かに熱湯の中に生薑の絞り汁を入れて混ぜて服用させる。
●疔毒にて失紳したのには蒼耳一握り、生薑三匁を合せ搗きて生酒一椀を入れ、ませてしぼり、カスを取り去り熱酒にて服要すれば発汗して大に効き目がある。
●口の中が爛れたときには(口内炎)、乾薑(カンキョウ)、黄蓮(オウレン)の同量を細かい粉にし水でのみ下すとよい。
●婦人が妊娠のとき、血を下すには乾薑、地黄の同量を粉にし、一匁づつ酒に入れて昼三度、夜三度づつ服用するとよい。
●凍死を療するには、生薑の皮を取り去って搗きくだき、また陳皮をうちくだいて、一緒に水 三椀を用ひて一椀になるまで煎じ、温い中に飲むとよい。                                
●脚気がひどくなり悶絶しそうになった時には、生薑汁二升五合に半夏二を加えて、一升八合になるまで煮て、数回に分服するとよいと云う。
●半夏の毒(半夏による中毒)を解するには生薑汁を用いる。菱を食べて中毒し傷んで脹れた場合には生薑汁を飲めば立所に消える。                
●萵苣(チシャ)の毒に中った場合には、生薑汁または濃い乾薑湯をのむとよい。     
●タケノコ又は芋の毒に中った場合にも、生薑汁を飲むと効果がある。
●猪鹿牛馬等の毒を解すのには生姜をつきしぼり、布でこし、何度も服用すると効果がある。
●蕎麦の毒に中った場合には、生薑酒を熱くして飲むとよい。
●巴豆(ハズ)の毒に解するには乾姜、黄連各等分を細かい粉にして、水にて荼一服くらい服用するとよい。
●生薑(生姜:ショウガ)五合を細かに刻み、水三升を入れて二升になるまで煎じ、それで米一升を飯に炊き、麹一升をその中にまぜて甘酒をつくる。それを痰喘息に用いると効果がある。
●中風で足の筋が引きつれる場合には、生薑の汁を小供の小便に混ぜて服用するとよい。 
●水に溺れたのには、生薑の汁を歯にぬるとよいと云う。
●打撲して腫れて痛むのには、生薑の汁、麦の粉、酒の糟を一緒に搗き合せてその局部につけ、布を以てしばるとよい。
●生薑の汁を酒に混ぜ、ウドンの粉にて煉り、打身につけて効果がある。
●耳だれには、生薑の汁を一滴其中へ注ぎ入れると効果がある。
●淋病には生薑二匁、甘草一匁の割で水を二杯入れ、それを一杯に煎じて服用すると効果がある。
●または乾薑二匁に蜂蜜八匁をあわせて煎じて服用するとよい。
●切り創、つき創のうずき痛むのには、生薑(生姜:ショウガ)をかんでつけるとよい。または生薑を粉にして、龍脳を少しばかり入れ、よくすり合せ、墨を磨って其の汁で一匙づつ使用すれぱ疼痛が止むと云う。
●赤痢等の痢病には、生薑(生姜:ショウガ)の汁一両、茶・甘草各五匁、胡桃の実一両を水二椀に入れて、一椀になるまで煎じつめて服用するとよい。
●しもやけには生薑の根茎又は葉の煎じた汁で洗うとよい。
●シャックリが出て止まらない場合には、生薑を二三片をかんで食べると効果がある。
●鹿児島あたりでは、黄疸の薬として生薑を仝身に摩擦する。
●腹痛または積血し積食し、或いは寒く或は熱く、何の薬を用いてよいのか判らない時には、生薑三四片をつきつぶし、おして少し絞り、其汁を取り去る。それを鍋に入れて炒り焦がし、その生薑を2等分して布二枚に別々に包み、あたためて痛いところに布き、熱気で'蒸し熨(の)すのを見はからい、冷めればとり換える。このようにして、すこし時間がたてば、後には痛が止まる。すこぶる回生の効果がある。
●聚癪(さしこみ)が起こったならば、生薑汁をのむとよい。
●早朝より旅行するときには、生薑一片を口中に含んでいれば、不正の邪気に
冒されて病気になるいことはない。また暑気の時分の旅行には、臍にあてて其上を布類で押さえておけば病気になることがないと云う。
●生薑は長く続けて食べれば目を患う。また痔疾の人は之を多く食べてはいけない。
●古人も、腫物ある人及び妊婦は、食べてはいけないと言っている。
●古人は秋薑を食べれば、人をして早死にさせると云言ってるが、これはもとより間違っている意見である。                             
●腋臭には生薑の汁を何度も塗るとよい。
●「生薑酒」の処方はいくつかある。
  皮を去り、わさびおろしですり下し、味噌を和して、それを鍋で炒り、好酒を入れ、1,2回煎じ沸騰させる、というのもある。
単にすりおろしたものを好酒と和し、熱に乗じて飲むというのもある。
或は、前にも述べたように、甘酒にするというのもある。
  何れも心腹の冷痛、冷積を治し、また中風で半身不隨のものに効果がある。
●「乾薑湯」 赤白帯下が長年続いているのには乾薑半両、白芍薬二両をそれぞれ黄色に炒って細かい粉にして、空腹の時に、米飯で毎服二服づつ、毎日二回服用すると効果がある。

ずいぶん、幅広い薬効ですね。身近にあって、すぐ利用できたからでしょうね。
民間薬として利用される場合、簡単に手に入るというのが、大きな条件の要素です。

写真はショウガの花。意外ときれいな花ですね。

朝霞市、志木市、新座市、和光市で35年 漢方相談薬局
埼玉県朝霞市朝志ヶ丘1-2-6-106  昭和薬局   薬剤師  鈴木 覚
TEL 048-473-7830  FAX 048-473-7332

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生姜の薬用効果、薬効  その2

生姜の薬用効果、薬効  その2
前回の文に補足します。

今朝(2010.8.27)、NHKの「ゲゲゲの女房」を見終わり、そのままNHKを見ていました。すると、先日、NHKの「ためしてガッテン」で、ショウガが取り上げられたが、---。
ということで、NHKのサイトを調べてみました。


要旨は、
「ショウガを食べてもしょうがないの?」
ショウガは、体を温めるということで、一部ではブームになっています。
ショウガを食べると、手足などは、温度が上がり、温まるような感じがします。
ところが、
普通のショウガ(店で売っているもの)を、食べて測定したところ、指先の温度は上がったものの、なんと深部体温は下がってしまったのです。
  それで、「ショウガを食べてもしょうがない」

しかし、「ウルトラしょうが」を使って、実験してみたところ、指先の温度をかなり上昇させただけでなく、深部体温は下がらず上昇しました。
「ウルトラしょうが」は、体全体を温める力があった。

結論
体を温めるのが目的であったら、「ウルトラしょうが」を使うのが良い。

この「ウルトラしょうが」は、「カラカラに乾燥させたしょうが」です。

さて、「ウルトラしょうが」は、漢方でいう「ショウキョウ(生姜)」そのものです。
昔の人は、多くの経験から、ショウガは乾燥させた方が、効力が増すということを知ったのでしょうね。
こういうことからも、漢方薬は、昔風の作り方の方が、良く効くことがわかります。
さて、蒸してから乾燥したものを乾姜(カンキョウ)といいます。
こちらの方が、さらに温める効果が強まります。

前回、生姜の名称について書いておきましたが、
ショウガに関する名称がややこしいので、もう一度整理します。

1.ショウガ
 普通の、八百屋さんで売っている、根茎。
 なにも、加工していない状態。
 漢方では、普通 使いません。
 体の内部は、温まらない。
2.ショウキョウ(漢方では、生姜と書いて、音通りショウキョウと読みます。)
 根茎を生のまま輪切り、あるいは皮をむいたまま乾燥したものを生姜(ショウキョウ)といいます。
 漢方では、これを使います。
 乾燥させたものなのですが、生の生姜みたいな、名称です。
 体の内部が、温まる。
3.カンキョウ(乾姜:乾燥させた生姜という意味ですが、ただ乾燥させたのではないのです。)
 蒸してから乾燥したものを乾姜(カンキョウ)といいます。
 乾姜(カンキョウ)という字から見ると、ただ乾燥させたものという感じがしますが、
                                   もう一手間かかっています。
 漢方では、これも良く使います。
 体の内部が、更に温まる。(実験はされていませんが。伝統的に知られていることです。)

以上のように、名称が誤解を招きやすいので、混乱しやすいですね。
漢方では、目的に応じて、キチンと使い分けています。
しかしながら、昔風の作りかたは、手間がかかるため、もっと簡便な方法で作っている製薬会社もあります。

生姜の入った、漢方薬や健康食品が、沢山出回っていますが、
  漢方の知識があって、真面目に作っている会社の商品を選んだほうがいいでしょうね。


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生姜の薬用効果、薬効 その1

生姜の薬用効果、薬効  その1

生姜(ショウガ)は、ごく普通の食品ですが、薬にもなります。
ショウガ科の宿根草、根茎を食用、薬用にします。
体を温める作用があるので、しばしば、健康雑誌や、テレビなどにも取り上げられています。
しかし、ショウガの薬理作用は、温める以外に、多々あります。

また、ショウガなら何でも同じではなく、品種、産地や土壌、収穫期などによっても、有効成分の含有量が変わってきます。
加工方法(漢方では炮製、修治)によっても、効能効果が変わってきます。
また、名称も変わってきます。

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八百屋さんで売られているのは、地面から掘り出してきたまま(生:ナマ)ですが、これはショウガです。
根茎を生のまま輪切り、あるいは皮をむいたまま乾燥したものを生姜(ショウキョウ)といいます。
蒸してから乾燥したものを乾姜(カンキョウ)といいます。
漢方薬には、生姜(ショウキョウ)と乾姜(カンキョウ)を用います。

ショウキョウとカンキョウでは、ききめが微妙に違います。
ショウガ(生姜)は、民間療法では、もちいますが、
生姜(ショウガ)は、漢方薬としては、通常は使いません。
生姜(ショウキョウ)や乾姜(カンキョウ)に比べると、薬としての効力が弱いからです。
体を温める効果でみると、乾姜(カンキョウ)が一番温める力があります。
生姜(ショウキョウ)が次で、生姜(ショウガ:八百屋さんで売っているもの)が、一番効力がありません。
それでも、少しはあります。

生姜(ショウキョウ、カンキョウ)の入っている漢方薬は、非常に多く、生姜無しには漢方は成り立ちません。重要な処方の多くにも入っています。
いくつか例を上げましょう。
葛根湯(風邪:最もよく知られた漢方薬でしょう)には、ショウキョウがはいっています。
小青竜湯(セキ、喘息、アレルギー性鼻炎など)には、カンキョウが入っています。小青竜湯をなめると、辛い味がします。
柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ:私の好きな処方です)には、ショウキョウが
柴胡桂枝乾姜湯(サイコカイシカンキョウトウ)には、カンキョウが、入っています。
六君子湯(リックンシトウ)には、ショウキョウが、
加味逍遙散(カミショウヨウサン)には、ショウキョウが、入っています。
とまあ、こんな具合で、まだまだ、多くの処方に含まれています。

生姜はもともと熱帯原産の植物で、日本では、温室で栽培しない限り、花は咲きません。
従って、種子ができませんので、栽培はすべて地下根茎の株分けによっています。

種用根茎を4月中に植えつけると、秋の彼岸前後には「葉つき新ショウガ」が出てきます。みそなどをつけて生のまま食べるのがこの「新ショウガ」です。
新ショウガを取ったあとには種用根茎が残りますがが、これが「ひねショウガ」。
霜がおりる直前の11~12月まで畑においてから掘りとると、根茎は充実し、香気、辛みは最高になります。これは、霜に当てずに掘りとるのがコッで、薬用にするのは、このときに採取したものが使われます。
食用、香辛料に使うショウガも、この時期に収穫します。


今回は、ここまで。
次回からは、具体的な用法、薬効について述べます。

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コレステロール値は、少し高いほうがいい

コレステロール値は少し高い方がいい

先日、高校時代の友人から電話がありました。
医者で検査をしたらコレステロール値が少し高いといわれたので心配だ、との事です。
それに対して、こう答えました。

「それは良かった。」と。
コレステロール値が基準値よりやや高いほうが長生きであることは、以前からよく知られています。
しかし、多分、降コレステロール薬のメーカーの戦略でしょうが、コレステロール値は低いほうがよいと思い込まされてきました。

ですから、友人はコレステロール値が高いと言われて心配になったのでしょう。
正常範囲である220mg/dl より少し上の235位だというのです。

今年の三月に鎌田實先生の講演を聞きましたが、
その時に「ちょい太で大丈夫」という先生の著書を買いました。

そこには、こんな研究結果が引用されていました。
                   
結論から言うと、コレステロール値が少し高めの方が、体に良くて長生き、
           コレステロール値が少ないほうが早く死ぬという結果です。
                   
以下の表は、コレステロール値と死亡リスクとの関連を示した表です。
表を見れば明らかなように、160から279までは、死亡率に大差はありません。男性に限ると240~279が一番死亡率が低いという結果になっています。

また、各種の疫学的調査でも、コレステロール値が 240~260mg/dlあたりでは、ガンの発生率も低く、脳梗塞や心筋梗塞の心配も無い。むしろ、抵抗力があって、肺炎やその他の病気も起こしにくいとの結果だそうです。
以上のようなことからも、私が友人にコレステロール値がやや高めなら、長生きできるからおめでとうといったわけです。
まあ、彼の予想とは逆のことを言って、意外性をねらって、安心させようとした面もありますが。
繰り返しますが、
コレステロール値だけから見る限り、
基準値より少し少し高いほうが健康で長生きです。
(高すぎるのはだめですよ。)
(また、心臓病などのリスクのある場合は、少し高いと投与されることもあります。)
コレステロール値に限らず血圧とかその他の数値で一喜一憂しないほうがよいと思います。
あまり、数字にとらわれないほうが、ストレスも少なくていいんじゃありませんか。
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アサガオの種は、有毒な生薬!? その1

アサガオの種は、有毒な生薬!?  その1
    朝顔の種(牽牛子:ケンゴシ)の薬用効果・薬効

暑い日が続いていますね。
夏だから、暑いのは当たり前ですが、今年は特に暑く感じます。

夏といえば、朝顔ですが、
実はアサガオの種も、れっきとした生薬((薬草)です。
今回は、朝顔の薬効について書いてみます。

朝顔の種の生薬名を「牽牛子(けんごし)」といいます。
ただし、有毒です。気をつけてください。
こんな字見たことないでしょう。いや何かで見たぞ。という方もいましょう。
そう、牽牛星の牽牛ですね。これはケンギュウ。つまり七夕伝説の彦星のことです。
牽牛子は、ケンゴシと読みます。
まあ普通の辞典には、出てないんじゃないのかと思って、広辞苑を見たら、ありました。峻下剤(シュンゲザイ)とちゃんと書いてありました。
ついでに、センナと大黄を見たら、どちらもちゃんと下剤と書いてありました。
白い種子を白牽牛子または白丑、黒い種子を黒牽牛子または黒丑といいます。
白ウシ(白丑)、黒ウシ(黒丑)という字が、時々中国の漢方の本に出てきます。牛みたいですが、朝顔の種なんですね。
伝統的に白い種子が尊重されましたが、今では、どちらも効き目が変わらないとされています。

昔 読んだ、「宇治拾遺物語」か「今昔物語」か何かの古典に、こんな話が載っています。
詳しい内容は忘れてしまい、
主人公たちの名も忘れてしまったので、主人公をA、客人をBとします。
“Aは、かねてからBのことを快く思っていなかった。そこで、Aは人をやって、Bを食事に招待したいと伝えた。Aは、料理の中にアサガオの種を入れておいた。Bは喜んでやってきて、食事をした。そのうちにBは腹を抱えて苦しみだした。Aは、やったとばかりに心の中で喜んだ。”

あれ、下剤ってそんなに早く効くの?と思った方もいるでしょうね。
普通の下剤は、飲んでから数時間後に効きます。ゆっくり効くので緩下剤(カンゲザイ)といいます。
牽牛子(ケンゴシ)は峻下剤(シュンゲザイ:激しい下剤という意味)であり、のんで比較的すぐに効きます。
また、他の作用も、早く出ます。
だから、すぐ効いた(腹痛を起こした)というのはフィクションではなく、本当のことでしょう。
少量だと通便作用です。
多量だと水のような下痢となり、利尿作用しかも強力な作用もあり、その他、腹痛など 多くの副作用がありますので 危険です。
というわけで、普通 単独では便秘薬としては、使われていません。
使われているとしても、成分の一つとして、ほんの少し入っているだけです。

ですから、まねをしないでくださいね。また、自分でもアサガオの種を飲んだりしないでくださいね。
念のため、多量に服用した場合のことを書いておきます。
◎ 神経症状、血尿、大便に粘血、激烈な腹痛、嘔吐が出現する。
どうです、やめたくなったでしょう。
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アサガオの薬効は、今では、便秘ということになっていますが、実際は、多くの薬理作用があります。
いくつか紹介しましょう。
  
「薬草カラー図鑑」伊沢一男先生、主婦の友社
採取時期と調整法:9~10月に趣旨を採取して、日干しにする。種子だけを集めて乾燥する。
種子は、外側が黄白色のものを白牽牛子、黒色のものを黒牽牛子と区別するが、薬効はかわらない。
薬効と使い方:下剤に 乾いた種子を粉末にして、1日量として0.5~1.5gを服用。なるべく空腹時が良い。
ただし、有効成分のファルビチンには強力な下剤の作用があるので、絶対に量をすごさないこと。

「民間薬用植物誌」梅村甚太郎先生 大正5年12月
漢名 牽牛花。
葉はそのまま、または塩で揉んで蜂や蟻に刺されたときにつけると、効果がある。
◎種子を下剤にする。白い花のものは特に脚気の病に好んで用いられる。
冷水でのむとよい。または、細かい粉にして丸剤にし、毎日6匁ずつ白湯で服用する。
特にこの丸剤を黒大豆の煎じ汁で服用すれば、更に効果的である。
◎伊勢では、種子を鶏のしらみを駆除するのに用いている。
◎便秘には、牽牛子、大黄、桃仁を粉にして、飴で丸く長くして、肛門に差し込むと良い。
◎三河の国西尾付近では、白花のものの種子を痰を治すのに服用する。
◎尾張の国では白花を煎じて、血の道の薬や解熱剤に用いる。
◎治痛散:木通1匁、大黄1匁、白牽牛子2匁、升麻2匁、檳榔子5分。
この5種を粉末として1回に2,3匁ずつ「飯のとり湯」で服用すれば、痛風、風湿、風毒、腫れて痛むのを治すことは不思議である。
ただし、服薬の前夜よりお粥を用いて、下りの止まるまでは食事をしてはいけない。

「実用の薬草」栗原愛塔先生、昭和出版社。昭和39年
 牽牛子(ケンゴシ:アサガオの種)
薬用部と利用法:種子を取る。その方法は果実のついた蔓ごと刈り取り、ムシロの上にひろげて乾かせば実がわれてくる。そこで、棒でたたいて中の種子を取る。そしてよく乾燥する。種子は普通黒いが、中には白いのがある。薬舗は白いのを高く売るが効用は同じ。まず、これを砕き粉末とする。それを1回1gほどのむと通じがよくつく、つまり下剤である。
面白いことには、甘草を半量混ぜたものはリウマチ、脚気、むくみなどに良く効く。また、病原がはっきりしない時にこれをのむと病状が表面に現れて病因がわかるというので、故人になった馬場辰二先生はよくこれをのませた。
生の葉の絞り汁は、毒虫に刺されたときに毒消しになる。
アサガオの種子を下剤として用いるときは、煎じたものより粉末をそのまま飲むとよく効を奏する。
  ☆☆☆☆☆ 注意:アサガオの種を、自己判断で用いるのは危険です。 ☆☆☆☆☆ 

アサガオの薬理作用は、キレイな花に似合わず強烈です。

現代の日本でも、ケンゴシは薬として使われていますが、便秘薬としてだけです。
当店でも、ケンゴシの入った薬があります。

昭和薬局で扱っている「アサガオの種子」を含む薬は、2種類あります。
副作用を書いたので、紹介するのをやめようかなとも、思ったのですが、紹介しましょう。
それぞれの、薬の成分の一部であって、主剤ではありません。
漢方薬は、何種類かの生薬を組み合わせていますが、それには、理由があります。
組み合わせることによって、効き目を強化し、副作用を無くすまたは減じるのが目的です。
ですから、普通に利用するには、ほとんど心配ありません。念のため書き添えておきます。

『ウエストンS』 55錠997円、110錠1,890円
1錠中に以下の成分を含む。
センナ末 205mg,ケンゴシ末 20mg,ダイオウ乾燥エキス22mg(大黄78.6mg),カンゾウ乾燥エキス 15mg(甘草  117.2mg),コウボク末 25mg 

『首から上の薬』 210粒850円、630粒 1,890円
【成分・分量】30粒中
センナ末1000mg、シャクヤク末200mg、ダイオウ末830mg、センキュウ末150mg、ケンゴシ末200mg

朝霞の漢方薬局   昭和薬局    薬剤師 鈴木 覚
埼玉県朝霞市朝志ヶ丘1-2-6-106
TEL 048-473-7830  FAX 048-473-7332

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